三番目にいい服とパジャマ

久々に地元の仕事仲間と東京で会った。
友人、というと語弊があり、
仕事で知り合った人、というと冷たい感じがする。
なんだろうね、こういう関係。

最近思うのは、友達という定義の人に合うときは
昔の自分に戻す感じもあって、それはそれで心地よいのだけれど
刺激的に楽しいかというとちょっと違ってて、
現在一緒に仕事をしている人に打ち合わせをかねて会うのが
実は一番楽しいということだ。
多分、私の場合、仕事は仕事でという生活でなく
生活の延長線上に仕事があるからだろう。
つまり今一番興味のあることを
仕事の最中に話せたり意見交換できるということだ。
打ち合わせという名のお茶や食事が、頭の中を整理してくれたり
制作のヒントとなったりもして、刺激をもらうことが多い。
でも別にプライベートで飲みに行ったり、温泉に行ったりもしない。
その人を友人にしたいかというと、そうではない。

女友達に会っても共通の話題はどんどん減っていく。
女友達というのは大体、恋の話で結ばれていたりするけど、
結婚した時点で、目をパチパチさせるような話はなくなる。
次に結ばれるのは、仕事での「あー、それな、わかるわー」か、
子育てでの「あー、それな、わかるわー」になるんだけど
私の場合はどちらもそういう風にはなれず、元々少ないのにさらに
友達と呼べる人は減っていっているような気がする。
結果、編集者とか、音楽ディレクターと
打ち合わせをしているときにひょんなことから出た余談が
最近は一番興味深いということなのだろう。
もう一度言うが、友達とは違う。
多分もっと薄情な関係だと思う。
だけど薄情な関係だからこそ無責任に面白くて、
制作にも熱が入るのだと思う。

友達は何でも許してくれるし、私も許す。
宝物箱に入れておいて、ときどき思い出す存在。
仕事の人と会う時は、三番目くらいにいい服を着てくけど、
友達に会うときは、パジャマのままで行ける。