一月が終わろうとしています。
何もない日なんてありませんが、
さっき始まったと思ったのに、
一ヶ月の儚さに驚いています。
そんな中、新春みかんの会2017で出来上がった詩を、
一月の証明みたいに、ここに発表したいと思います。
参加してくれた方全員に「受け継いだもの」について
語っていただき、その場で一つの詩にまとめさせてもらいました。
このライブペインティングならぬ、ライブライティングを
昨年からはじめましたが、本当に面白い試みです。
私の経験と想像だけでは出会うことのない言葉に
出会える感動はあまりに大きかったのです。
40人いれば40通りの「受け継ぐ」があり、
どの言葉にも、その人のたどってきた人生と
生活が匂ってきます。
常々思っていますが、
匂いのする詩というのは、空想の中だけでは
作ることができません。
分厚い「思い」という土台があってこその
薫る一行だと思うのです。
それぞれの人生の匂いが漂う
素晴らしい連詩ができあがりました。
なっちゃんと5年目の新春みかんの会。
もちろん意味があるから続けていますが、
迷ったときも、続けてさえいけば
思いもよらない答えに巡り合ったりするんですね。
自分たち主催者が完璧に舵をきる、という方法ではなく
お客さんたちの空気や流れに身を委ねてみることも
みかんの会らしさで、そこから来年やってみたいことが
むくむくと芽を出したりします。
みかんで5年!? というギネスみたいなこの会を
できる限りこれからも続けたいなあと思うので、
あまり肩肘をはらずに、みんなの船に乗せていってもらうような感じで
これからもやれたらなあと思いました。
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「ぼくが 受け継いだもの」
ぼくが受け継いだもの
みかんの木
梅の木
60年過ぎたお家
おじさんのサックス
梅酒をつくる習慣
御家人帳
田中美知太郎の「哲学入門」
結局最後は納豆うどんにもどるってこと
わたしが受け継いだ物
お菓子のレシピ本
日比谷公園のステージ
街なかで好きな音楽がかかっていると「あっ!」って思うこと
文章関係の仕事についたということ
男の顔の好み
バレー部のフォーメーション
お味噌の作り方
ぼくが受け継いだ物
陶器をつくるときの練り台
みかん好き ということ
おせちの肉団子
宝塚歌劇団を見にいくということ
「天使にラブソングを」の中の曲を歌うこと
針をもちたい!と思ったこと
いのししの剥製
父の油揚げともやしの味噌汁
わたしが受け継いだ物
結婚式で代々身につけるアクセサリー
ローストビーフのレシピ
伝統芸能を受け継いだ人たちを支えるという姿勢
茶道を楽しむというこころ
お菓子を美しく作るということ
ぼくが受け継いだもの
わたしが受け継いだもの
この体
この心
この大地
今はもうなくても
ここにちゃんと残っている
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