朝顔のある生活
入谷の朝顔市に行ってきた。
すれ違う人が皆朝顔をかかえとる。
朝顔買わないと、私も買わんと。
最終日の夕方だったからか朝顔争奪戦
になっていて、余計に燃えた。
帰り道、町の花壇に早速誰かが朝顔植えとった。
まわりの花は全部しおれている。
夜中まで飲んで、朝顔を抱えて帰った。
まるで朝顔市で朝顔をかったのが
一昨日のことのようだった。
途中まで乗り継いだ駅で
「なんであの人朝顔もってるんだろう」
とすれ違う若者が囁いた。
それは、昨日までの私の姿。
「君たち、朝顔市に行ってごらん。
絶対にこんな風になっちゃうんだから」
と心のなかで呟いた。
タクシーの運転手さんだけが、興奮していた。
越冬する朝顔を買ったというと
「それが欲しくてたまらなかったんだ」と言ってくれた。
「いりますか?」と言いかけていたが、
私はやっぱり朝顔を持ってかえった。
朝、起きて。ゲ!朝顔、萎れているではないか!
越冬させるよりも、この夏を乗り切る方が大変ですわ。
たっぷり水をあげた。
いつ花さくんやろなあ。
一日2回色が変わるって、お店の人は言ってた。
|