師走とヤクルト

実家で過ごす年末。
たまには、ハワイでも行ってみたいなと思ったりもするけど
結局、愛媛行きの飛行機のチケットをいそいそと手配する師走。

来年に胸踊らせながら、
今年にけりをつけ、少々のことは水に流す。
隣同士なのに、
十二月は使い果たされる、お疲れの月。
一月は待ち望んでもらえる、羨ましい月。

エッセイ集発売、全国サイン会行脚、
初の主催イベント「高橋久美子が行く!」、
読書のフェスなど、
今年はいろんな初めてに飛び込んでみることが多かった。
そしてヒトノユメ展、長野での濃厚な日々が7月からの半年をしめる。
実際に自分の目で見ること、その場の空気を吸うことで生まれる
ひらめきと展開が多かった。
失敗は成功のもとだと、何度も何度も試行錯誤しながらの
粘土遊びみたいに、自分の手で大胆に、ちょっとづつを繰り返し
365日になった気がする。

31回目の年越しを
来年に期待しながら、同じように実家で過ごす。
六時屋のタルトを食べ
八朔をちぎり
餅つきをし、甥っ子は顔真っ白
ガスファンヒーターが台所にある!
トイレには変わらずヤンボーマーボーのカレンダー
でも、ヤンボーが甥っ子に見えて仕方ないという、変化
私が子供のころ近所で商店をしていたおばあさんが、
甥っ子にヤクルトを持ってきてくれる。
デジャヴっていうか、25年前にタイムスリップする。
おばあさん、元気にやっぱり近所の子にヤクルトあげてるんだ。
ヤクルト久々に見たなあ。嬉しそうにしている甥っ子は半纏を着ている。
姉が育てるこの子は、昭和の子みたいだわー。
お風呂には畑で採ったドクダミの煮汁を入れて
無農薬野菜の鍋はやっぱりちょっとだけ虫が浮いてる
高校時代と同じようにゲー!って言いながら食べる
新しい絵本と見憶えのある積み木が散乱する台所で。


家族は人が作るんだなあ。
初めからできてる家族なんてないんだよな。
当たり前のことを、実家に帰ると思い出す。

来年もやりたいことが山ほどあるなあ。
やなせたかしさんが亡くなる数日前まで
「やりたいことがまだまだある。死にたくないなあ」って
言っていたのが印象的だった。
94歳でそう言えていることってあるだろうか。あるんだなあ。
甥っ子とアンパンマンを見ながら、物思いに耽る。

今年やり残したことたくさんあるなあ。
来年は実現できるように頑張らなきゃな!
そうしていくうちに94歳だろうか。。。
まさか!ねえ。。。

楽しい一年になりますように。
嬉しいことがいっぱいの一年になりますように。

みなさま、今年も応援ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
よいお年を。