長野


髪を白井さんのお母さんに切ってもらった。
白井さんのお母さん、お父さんは海野街商店街で美容院をしている。
髪が床にバサバサバサと無造作に落ちて
ああ、やっと私の夏が落ちたなあと思った。
自分の髪が鬼太郎みたいに伸びて、寝ぐせもひどいままだった
ことにようやく気づいた。

ヒトノユメ展 が始まった。
私達の中では春からずっと始まっているわけだけれど
一般公開がスタートした。
相変わらず作品たちが出来上がるにつれ、ぼろぼろの二人組だ。
エネルギーの塊の巨大作品達とまゆ蔵のコントラストが胸を焦がす秋。半袖のまま私は長野に一ヶ月近くいるんだなあ。昨日ついに
上田の服屋さんでもこもこのカーデガンを買った。
大変だけど毎日が楽しくて新鮮で体の中が空っぽになっていく。
満ちていくことが、空っぽになるっていうのもあるんだと知った。
山に囲まれて、歴史深いまゆ蔵を毎日眺めながら、知らない土地に住むこと。 自分をほっぽり出して来ているから、とてつもなく身軽だ。

そして22日には高野寛さん、高木正勝さんを上田にお招きして
ヒトノユメコンサート「高高高&ちょっと白」を開催。
音と言葉と絵が絡まり合っては飛び回る。
私の心臓は普段の2倍増しに動いていたし喜びを隠せなかったな。
即興で弾けて、重なって、また分かれて。
言葉なんて無力だなあって思った。
みごとに何にも出てこなかったもの。全てが音に変換されて、 どんどん空っぽになっていくんだ。頭の中が。

困難なことにぶつかったとき、きっとこの日を思い出すと思う。
生きていることを体の底から感じた夜だった。

ヒトノユメin長野が始まりました。
是非遊びにいらしてくださいね。

http://hitonoyume.com