つばき


6月30日

つばきの復活ライブに行った。
妹も徳島からやってきて一緒に。

ぎゅうぎゅうのライブハウス。
「始まったら泣いてしまうかもしれんな 」
と妹が言って、
私もそうかもなと思ったけど
これはつばきにとって新しい出発の日で、
絶対泣かんと思った。

なのに、ボーカルの一色さんがステージに出てきた時点で
もう大泣きしてしまった。
どうしようもないな。

岡本さんのカウント。懐かしい曲が始まる。
息を吸って歌い出す。光がステージを照らした瞬間。
違う。
ステージに立つ一色さんの顔。
普段打ち合わせのときや、みんなでワイワイしてるとき
全然違っているのに気づいた。びっくりした。
もちろん感動なんだけど、
私は何か新しい数式を発見したみたいに驚いていた。

ミュージシャンだしボーカルなのだから
きっと当たり前なのかもしれないけれど、
その眼があまりに強くて、澄んでいるので
圧倒されて、涙が止まった。

人の顔って、その人の心なんやな。

帰り道、岡本さんにもらったお菓子を食べながら
学生の頃、妹と行ったつばきのライブの帰り道を思い出した。
家々の街灯がいっぱいの月みたいで、ライブの話ばかりした。
私は信じるべき道標をまた一つもらった気がした。

蝉が鳴きそうで鳴かない、6月最後の夜の、もなか。

 

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