俳句を語る その2

そんなわけで、11月ですね。
最近は、
起きて、書いて、着替えて、書いて、寝たり転んだり、外歩いて、書いて、飲んで、寝て
みたいな感じです。

ずっと書くというのは、意外と難しいんですね。
散歩することや、人と会うこと、食べること、寝ることの方が
長時間机に向かっているより大切かもしれない。そう思うこの頃です。
まあ、睡眠に関しては昔からよく寝ますけどね。
水木しげるさんの、寝ることが一番大切って話、
あれ勇気づけられます。
イェイ!じゃあ私も寝よう!ってね。

早く、作品を見せられると良いです。
寝つつ書きつつ、やります。

さて、前回の続き、俳句を語ります。

今年の夏、ヒトノユメin松山の開催準備を半日さぼって、
俳句甲子園の決勝戦を見に行ってきました。
俳句甲子園とは、高校野球さながら、高校生が俳句で闘うというもの。
松山といえば、正岡子規、高浜虚子、河東碧梧桐などを生んだ俳句の街として
有名ですね。その松山が主催の、高校生達による、俳句の全国大会なのです。
随分前からあることは知っていたのですが、恥ずかしながら初めて見に行きました。

素晴らしかったです。
野球部が白球を追いかけるように、
吹奏楽部が全国を目指すように、
この子たちにはこの言葉のステージがあるんだなあ。
もっと早く来たらよかったなあと思いました。

観客のすごいこと。ホールの下から上までぎっちり!
立ち見まで続出するほど。
そりゃあ、見たいはずです。
面白いもの。

闘い方は、剣道と同じ、団体戦となっており、
5対5のうち、白星の多いチームの勝利となります。
と、ここでちょっと変わっているのが、ディベートです。
一人の句の発表が終わるごとに、その句に対して
「なんでここをこう読んだんですか?私ならこうしましたけど!」
みたいな、チーム対抗の問答が繰り広げられ、
審査員はこのディベートで、鑑賞ポイントなるものも加えながら、点数を決めます。
なので、まあ、作品がよくても上手く喋れないと
負けちゃうっていう切ない状況も多々ありました。

鑑賞ポイントはさておき、
決勝戦での
愛知県 幸田高校のこの句が
私のこの夏のヒットでした。お題は「雲」


「黙々と水羊羹を食って 雲」


もくもく、くって、くも、ですよ。
すんげえリズム感です。
普通の言葉が、組み合わせと並べ方により
ここまで斬新な句になるのか、と。
目を覚まされた気がしました。
難しい言葉、一つもありません。全部、小・中学生でも使える言葉。
それで、ここまで面白くできるんだ、俳句って私にもできるかもしれない。
観客にそう思わせる。
これこそがこの大会の醍醐味だなと思ったのでした。

ちなみに、松山には俳句ポストなるものが色んなところに設置されています。
この俳句ポスト、誰でもその場で句を書いてポストに入れられ
そして、優秀作品は街中に張り出されたりするみたいですよ。
市内電車の中や松山城など、こんなとこで書くのか!
というくらい、道ばたに普通の顔して設置されてます。
何歳代の投稿が多いと思いますか?
私は60代くらいかなと思っておりました。
定年退職したあとの趣味でとかね。
ところが、驚くことに
一番多いのが、10代
二番目が20代なのだそう。
俳句の将来は明るいですね。
地元に根付き、愛されている証拠だなと
嬉しく思ったのでした。

思ったんですけど、
俳句、ちょっとツイッターっぽいんですよね。呟きっぽいというか。
もちろん、リズムや季語などあり、もっと文学的ではあるけれど、
いつもならスルーする何でもないことを書いてみたら、意外に面白い!みたいな。
放哉や夢道の句集を読んでいると、完全に呟きやなあと、
タイムラインで見ていくと本当にツイッターとシンクロします。おもしろいでしょ。

人間の一瞬一瞬を真空パックしていく。
刹那が重なって時代はできあがるのであるから、
一瞬にこそドラマは隠されているのでしょう。

ということで、
来年の俳句甲子園も、楽しみだな。
言葉を書く者として、本当に感動をもらいました。
この場を借りて。ありがとう!



久美子