ズズズーっと、空港の立ち食い屋でうどんを食べると、
体が一気に暖まった。
グッと背筋を伸ばして、前を向いてグングン歩いた。
東京に帰るぞ。
のんびり過ごした昨日までに別れを告げ、
またね!と手を振って。
私はやっぱり、まだここには帰れない。
予想通り飛行機は酷く揺れた。
シーンとした機内、
キャビンアテンダントさんの発音が惚れ惚れするほどいい。
留学してたのかな。彼氏が外国の人かな。
気を紛らわしてみたけど、ほら酔ってきた。
このくらいの雨に負けんなよ飛行機!
旅行帰りか、出張か、はたまた夢を掴みに行くのか、
東京へ向かう人の目は一味違う。
大げさに言うなら、サバンナのチーターみたいな。
狙う物がある目だ。
このチームの雰囲気、何かいけてるな。
かと思えば、電車チームの目は、どどどーんよりで、
なるべく目を合わさないようにしないと、伝染しそうだ。
きっと、私もそんな日があるのだけれど。
駅に着く頃には止んでいてくれ!という願いは全く無視の、大雨。
困ったな。傘を買うべきか、ダッシュするか。
しばらく考えて、いつもなら、傘、だろうが
今日は、ダッシュしてみた。
まあ、シャワーだと思えば何てことないし、
プールだと思えばもっと何てことない。
走れ!
傘を差す人をグングン追い抜く。
水たまりをバシャバシャ飛び超える。気持ちいい。
でも、
だんだんと、
母が持たせてくれた野菜が重くなってきた。
そうだよ、マラソン苦手だよ。
ペースダウンしながら
雨は、何度くらいなんだろう。と思った。
どうしてこんなに冷たいのか。40度くらいだったら最高なのに。
家に着いて、速攻お風呂に入って
お菓子食べながら、ぼんやりテレビを見て
近藤勇直筆の掛け軸発見にテンション上がり
「歴史秘話ヒストリア」見てさらにテンション上がり
こんな風にしてたら、もう12時で
明日は来てしまった。
今日も、きっちり生きてゆくのだ!
一喜一憂しながら、
気持ちの変化に右往左往しながら。
今日も、私は私を走らせる。
久美子
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