笑顔の元

この間、元シュノーケルの山田君のドラム姿を久々に見た。
懐かしさが込み上げた。

私とは全然違う、なんてシュッとかっこいいドラム。
6年前の彼の第一印象だ。
あんなに器用に叩けたらどんなに気持ちいいだろうなあと。
器用なのに小手先だけではないダイナミックなドラムに憧れた。
いいないいな。山田君みたいに叩きたいな。
結局何年経っても、ちっとも同じ方向には行けなかったけれど。

新しいバンドで、あの頃と同じ、すんごい楽しそうな顔で叩いていた。
もちろん全部同じではなくて、フレーズもアレンジも叩き方も進化している。
そして削ぎ落とされたところもあって。
ライブが終わって、私は清々しい気持ちになっていた。
私の中の思い出や懐かしさ、ノスタルジーを超える彼がそこにいたからだ。
新しい物を追っている目は、私に勇気をくれた。

 

また先日、友だちの結婚パーティーの二次会でのこと。
二人が式場から到着するまでの間、さっき行われた式の映像が流れた。
私は式には出席していなかったのだが、ああ、もう、映像だけで目が、目が。。。。
彼女の苦難を思い出すと、泣けるぜ泣けるぜ。
大変な時期をいっぱい乗り越えて、今。なんて良い顔してるんだよ!
元心配かけっぱなしの彼女は、最高の笑顔を見せられる女性に変わっていた。
嬉しくて、でもそれが言葉にならなくて、ただただ私も笑顔になった。

 

人の笑顔が人を笑顔にする
人の強さが人を強くする

何度も学校や街角で聞いてきたこの言葉の意味を
私は自分自身が体験することでようやく実感できたのだった。
心の底から力と笑顔をくれるのは身近な人達の輝く姿だった。
諦めずに進み続け、掴んだ強さや幸福だからこそ
私の胸にガツンと響いたのだろうと思う。
わかっているようで、わかっていなかった言葉が
ようやく私の本棚の中に入った。
そんな出来事だった。