ポエットリーな夜2 みんなの詩を繋ぐ

9月4日のポエットリーリーディングの会で、
全国(世界)のみんなの今を繋ぎたくて、
Twitterで一行詩を募集しました。
条件は頭に「2021年9月」をつけることだけ。

集まった言葉を並べて、詩ができました。
なにげない今日は、特別なものだったと
こうして詩になってみて、気づいたりしますね。

 

『2021年9月』

2021年9月、ゴーヤーの蔓だけ伸びてる
2021年9月、昨年と同じバッタがいる
2021年9月、突然の大雨に慌てて窓を閉める
2021年9月、今年最後の、多分、素麺を茹でる
2021年9月、雨。ラジオ体操に行くことを諦めて二度寝をする
2021年9月、タンスから引っ張り出す薄手のパーカー
2021年9月、ミルクコーヒーにそっと口つける
2021年9月、今日はゴミ出しの日
2021年9月3日、今日が誕生日
2021年9月、口元だけ、あの頃とは違う
2021年9月、産まれたての言葉を俯瞰している
2021年9月、気取らない二人と二人の未来の子供達
2021年9月、前髪切った
2021年9月、扇風機を片付けるか否かで迷う
2021年9月、机の上の5月で止まったお気に入りの手帳
2021年9月、「髪の毛切りましたね」と会って一番に言われる
2021年9月、ワクチン熱で全身倦怠
2021年9月、夏はまだ憂いを帯びて
2021年9月、長い夜に長い言葉を連ねる
2021年9月、彩り眩しい朝焼けに我が眼球を洗われる
2021年9月、朔日参りで願掛けのおみくじを引く
2021年9月、初めて観たシッティングバレーボール
2021年9月、一風堂の「すみれ September Love」を聴いている
2021年9月、ベッドを買いに行く約束をする
2021年9月、Zoomの参加ボタンを、承認される
2021年9月、鼻をすするのが久々で鼻血がでる
2021年9月、かわいい絵が描かれているパズルが解けなくて悔しむ
2021年9月、手に持ったバナナだったものをながめる
2021年9月、また、ドラムを叩き始めた
2021年9月3日は久美の日
2021年9月、憧れの詩人と同じ紺色のシャツを買う
2021年9月、ラジオで聴く自作品
2021年9月、ボールルームに掃除機をかけた
2021年9月、君の為に書いた百万本のバラは
2021年9月、旅の準備の仕方を忘れそう
2021年9月、ン十八年前東京都江東区夜明け前にわたし、生まれた
2021年9月、コロナ禍20ヶ月…声無き現場…木霊聴く
2021年9月、まだまだ終わりが見えない
2021年9月、私は息を潜め、俺は未だ眠りこけ、僕は爆発する
2021年9月、あいかわらず聴いてるのは2010年の音楽たち
2021年9月、紡げ紡げ詩を紡げ
2021年9月、夏の終わり、夏のおやじ
2021年9月、深夜4時 妻は寝ている、私は起きてる
2021年9月、10年前も100年後も9月は9月
2021年9月、雨上がりは秋のにおい