みんなの朗読が音源になりました!!

5月1日、レコーディングスタジオを守りたい企画として
みなさん参加してもらった「お家でレコーディング」の音源が
二つ出来あがりました。
古賀君ミックス頑張ってくれたよ!
想像以上に過酷だったようです。笑
全国各地から声や生活音で参加してもらったあの瞬間が
ぎゅっと、ここにとじこめららました。

音源は配信のみになっていまして、こちらから各300円でご購入ください。
https://xylomania.thebase.in/

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以下、ライナーノーツです。読んでみてね。②の「2020年5月1日」の売上は全額
xylomaniaスタジオの維持費に使ってもらおうと思います。


①「夏、瀬戸内海に浮かぶ」
参加者20名と、リモートで朗読レコーディングをしようと考えついたとき、
家にある生活音も録音できたらいいなと思いました。
それぞれがイメージした詩を楽器ではなくいつも聞いている生活音で表現するのです。
当日「じゃあ、家の中で音を探してきてくださーい」の掛け声で家中を物色してもらいました。
家の音。日本中が家で過ごした日々を象徴する作品ができたと思います。

この詩は、6年前山手線に乗っているとき、瀬戸内海に浮かんでいるみたいだと思って書いたものです。
参加者のみなさんに、どの部分を読みたいか挙手してもらって、
読みたいように朗読してもらいました。
それぞれの声、鍋を叩くポーンという音、瓶やコップを箸で鳴らす音。
zoomの特性として多重録音が難しいのでカオスになった部分もありましたが、
そこはレコーディングエンジニア古賀君の腕の見せどころ!
何日もかけて丁寧にMIXしてくれ面白い作品に仕上がっていますよ。
音楽仲間たちの協力もあり安心して言葉を泳がせることができました。
ありがとうございました。(高橋久美子)

 

「5月1日」以上に大変な作業で、整音中、正直1人で発狂してました…(笑)
声とは別に様々な音が鳴っているという環境、
それが同じマイクに入っているという状況、
イベントの時は、映像とリアルタイムの高揚感という魔法がかかっているのですが、
後日、音声だけを聞くと、その日のワクワクは再現しずらく、
作品を創るという発想にシフトして臨むことにしました。

久美子さんには大事な言葉があって、僕には大事な音質クオリティーがあったりします。
妥協が苦手な僕らは、何でもやりとりしました。

そんな中、ハープやギター(ほぼノイズですが)
音階がある音が存在することによって、少しホッとする自分もいました。
馴染みがある音は安心するんでしょう、参加してくれたお二人に感謝です。
Zoom特有のGate機能(小さな音はカットされる)に手をこまねきましたが、
皆さんの声をうまく形にできたと思います。

次の開催時は、もっとよく録音する方法も発見したので、
皆様、また是非参加して下さい。
自由にカラフルな音を一緒に奏でましょう。(古賀健一)

詩:高橋久美子
録音:古賀健一・中村涼真
MIX・整音:古賀健一
朗読・音:参加者のみなさん
ハープ:宮本あゆみ
https://twitter.com/ayumi_harp_0408
ギター:奥野真光(CRAZY VODKA TONIC)
https://twitter.com/mo_uncrown0717

 


②「2020年5月1日」

リモートイベントの良さは、全国どこからでも参加できることです。
北海道から鹿児島まで、各地から集ってくれたみなさんの一日を詩でリレーできないかと考えました。
鹿児島では半袖を着ていても、北海道ではまだストーブが出ているかもしれない。
その生っぽさがこの作品の面白さだと思うのです。
当日(5/1)を振り返り印象的だった出来事をその場で一行詩にし発表してもらいました。
(観覧券の中でも希望された方はチャットで書き込んでもらい
朗読は参加券の方に代読してもらった)
桜島、短縄、ランドマークタワー等ご当地ならではの言葉。
また、在宅勤務、ウーバーイーツ、持続化給付金など、
今を感じる言葉も出てきてイベントの中で一番盛り上りをみせました。
発表してもらった詩を、朝から夕方になるように順番を調整しながら繋げていきます。
「春と夏のはざまで〜」と変形させた枕詞や間奏的な部分は私が作り、
詩にアクセントを出しました。
33人の瞬間を繋げて永遠にした作品です。(高橋久美子)

 

出会った頃から、久美子さんと話し出すと止まらなくなる傾向があります。
色んなアイディアが、次から次にお互いの口から出てくるからです。
Zoomの参加者ごとの声を別々に録音出来る機能を知り、この企画を考えました。
テストを何度もしたけれど、20人以上の参加者で上手くいくのかは正直不安でした。
でも2人の性格上、「なんとかなるさ!」と思い、
実際なんとかなった。想像以上に楽しかった記憶しかありません。
ただ、ミックス作業は想像以上に大変でした(お待たせてすいません。)
この作業は、音楽のエンジニアというよりは、
どちらかというとTVや映画の音声エンジニアの仕事に近いんです。
全員のマイクが違うという環境の中、1人1人の声の特性を活かしつつ、
全体が滑舌よくスムーズに繋がるように音質調整し、
ピチャというリップノイズや、声の後ろに乗っている環境音、
「はひふへお」や濁点などの言語で出る独特の空気の吹かれ音など、
様々なノイズとの戦いでした。
しかし、イヤフォン、ヘッドセット、パソコン内臓マイク、携帯、ネット環境、部屋、
様々な参加者の環境を同時に録音できたことで、
2020年5月1日、2度来ないこの日を記録出来たことは、
エンジニアとして幸せなことです。ありがとうございました。(古賀健一)

詩:高橋久美子・参加してくれたみなさん
録音:古賀健一・中村涼真
MIX・整音:古賀健一