その2 常識がある人になりたい
お兄ちゃんはゲーマー
久美子(以下K):Sちゃんは家族旅行とかはすんの?
さおリ(以下S):ないですねー。お兄ちゃんがいるんですけど、お兄ちゃんが外出嫌いなんで。
K:へー。お兄ちゃん何才?
S:高3です。
K:あー。嫌いだろうね(笑)その年頃は家族旅行とか嫌だろうなあ。逆に一緒に行くのもびっくりするかも。
M:あははは。
K:お兄ちゃん何してるの?
S:お兄ちゃんゲーム好きなんで、ひたすら家でゲームしてます。
K:おお。帰ったらひたすらゲーム…
S:はい。友達呼んでゲームして、友達帰ってゲームして
K:やばいやん。目悪くならんの?
M:ははは。そこ!?
S:ならないです。すんごい目いいです。
K:なんなーんそれ!いいなあ。(私はド近眼)
あーたまにおるなそういう目の強い人。いいなー……
へー。お兄ちゃんゲーマーかー。小学生とかでもおるなあ。公園に集まって何しよんだろうって行ってみると、みんなでゲームしてるみたいな。外でゲームかい!走れよ!みたいな(笑)
M、F:あはははは!
K:Sちゃんはゲームはやらんの?
S:お兄ちゃんがゲーム全部管理してるんで、ちょっと借りててもすぐ持ってかれちゃうんでやらないです。
K:あははは。お兄ちゃんすげー、管理人。携帯ゲームは?GREEとか。
S:あんまやらないですね。
K:電車の中でやってる人多いよね。
S:はい。電車の中は、メールしたりしてるかな。
K:ああ。まあよく見るよねその光景は。本読んだりはしない?
S:中学の時はよく読んでたけど、今はあまり読まないです。友達といるのが楽しいんで。
K:ああ、いいね、そういう時期やなきっと。友達とワイワイ。男の子二人と、女の子あと一人とで4人組やろ?いいやん。毎日ダブルデートっぽいね。
S:ああいやー。
K:ん、その中の一人が好きってことだったよね。てことは、密かな三角関係。後一人の男子だけ関係ないみたいな事態(笑)!
S:あはははは!友達ですよ。その子、知ってますよ。
K:え!?知ってんの?Sちゃんがもう一人の子のこと好きなことを?
S:はい。知ってます。女の子も知ってます。
K:なに!?え!渦中の子も知っとんかい!?
S:はい。私が彼のこと好きって知ってて、代わりにアドレス聞いてくれるってことになって、アドレスを聞いてくれたんですよ。そしたら、勘違いしてその男子が友達のこと好きになっちゃったみたいで…
M:男子って…ねー。
K:男子って…バカだね。ああ…ほんまに。きついなー。でもそれすらもなんかええなあ。
M、F : 爆笑
K:そういうキュンとするの羨ましいなあ。毎日顔合わすわけかー。ふーむ。
修学旅行楽しみやな。
S:でも同じ班にはなれないと思います。男の子は男の子の班なんで。
K:あー。そうか。でも、なんかいいなあ。役者が4人揃ってるのにまだ何も始まってない感じ。ええわー。
みんな部活はしてないんやろ?学校終わったら遊んだり?
S:いや。遊ばないです。男子二人は楽器やってるんでそこで集まることはありますけど。
K:へー。学校の中だけの友達か。
S:いや、好きじゃない方の男子とはときどき遊んだりするんですけどー。
K:え!それ、好きなんじゃない?相手は。
S:いや、ないと思います。
K:クリスマスのご予定は?
S:女の子の友達と鍋したいねって言ってます。
K:おお、落ち着いてるな。クリスマスのご予定は?
F:ディズニー行って、普通に友達んちに集まって、宅配ケンタッキー(笑)
K:あははは。大学生っぽいわー。好きな人は?
F:好きな人いないです。女子大だから。合コンに行く子もいるけど。私は嫌ですねー。知らない人と喋るのが嫌です。
K:あー。うん、確かにねー。
人の心の偏差値について
K:じゃあ最後に、どんな大人になりたいですか?
S:そうですねー。あー。簡単なんですけど、常識がある人になりたい。
K:へー。
M : ポイ捨てとかする人が嫌いなんですよ。だから、そういうのを注意できる人になりたい。
K:おお。今必要な人やね。無関心な人が多いからねー。でも逆に私は、人のことを気づかえる若い子が増えてるのかなとか思ってたんだけど。
S:いやー。ないですねー。
K:そう?電車の中とかでもお年寄りに席を譲ってあげる光景をよく目にするよ。四国から上京してきて、意外と優しい東京の人達に驚いたもん。みんなサッと席譲るでしょ?
S:いやー。できない子も多いですよー。今日、奉仕活動があったんですけど。近くの公園のゴミを拾うっていうのが。それでゴミを拾った後の休憩時間にゴミを捨ててる人がいたんですよ。
K:え(笑)校内で?
S:はい。友達とかで。もうそれを見て私イライラしちゃって。
K:それはすごいな(笑)
S : で、それを見て私がまた拾ってゴミ箱に捨てるっていう。ゴミを拾ったあとなのに捨てるっていうのが考えられなくて。
K:最近、ゴミのポイ捨てする人減ったなって思ってたけど。90年代の頃って結構みんな煙草とか道端にポイポイ悪気もなく捨ててましたよね。
M : ああ、確かにそうですね。
K:なんかポイ捨てとかガムをぺッ!がちょっと悪そうでカッコいいみたいな風潮さえありましたね、田舎では。でも、今は、ポイ捨てする人に街の人が白い目で見るように変わってきてると思うけど。うわ人間のやることじゃない!みたいな感覚、非道徳的というか。マナーとか起立を守ることが普通になってきてる気がしてたけどー。なになに、さっきから話聞いてるとSちゃんの学校は、ビーバップ・ハイスクール的な(笑)古過ぎか……GTOとか。ちょっと今どき珍しいんじゃないのかな?やんちゃすぎん?
M:ははははは!!そうですよね。
S:はい。レベル低いんですよねー。
K:偏差値ってこと?でも偏差値と人の心の偏差値は比例しないんじゃない?
S:なんか自分が拾う立場の人だったら、絶対捨てないと思うんですよね。拾う人の気持を考えられないというか。自分は拾わないからこそ、まあ捨ててもいいやっていう感じなんだと思うんです。
K:ああ、なるほどね。イメージできないんだろうね。嫌な思いをする人の気持ちが。イメージできないから、先生が傷つくようなことを言えたりとか。人の気持ちを考えるって小学校で習うことなのにね。うーん。そうかー。まあ、社会に出て揉まれたら変わると思うんだけどねー。
M:家庭環境にもよるのかなあ。育った地域とかねー。何でも手に入り過ぎるんですよきっと今の子達。親が何でも与えすぎてたりして、思い通りに生きてる子が多いように思いますよ。
K:そうかねー。不景気真っ只中に育ったわけやけどねー。
決定的に違うのは物心ついたときからインターネットとか携帯電話ってものがあったってことかなあ。だから、実際の経験数とかイメージ力よりもバーチャルの方が圧倒的に勝ってるっていうのはあるのかなあ。さっきも、メールで告白っていうのは全然ありって言ってたもんね。
M:私たちのころでは絶対ありえませんもんね。
K:そやね。ガチで勝負や。その時点で、同い年だとしても今の子より経験値上やもんね(笑)
いやー。しかし、どんな大人になりたいかという質問で、「ゴミを拾って捨てれるような大人になりたい」という。いやー。いい子が来てくれたもんです。
ありがとう!
全員:爆笑
K:野望的なことはないん?
S:野望…保育士になること。
K:そっか、そやね。保育園の先生になりたいって言うてたもんね。いや、絶対向いてそう。やさしいもん。荒れまくってる学校やのになんて心清らかな。
そうや、原稿できたら送るからここにメールアドレス書いてくれる?あと一応住所もね。今書いてる本できたら送るわ。
S:はい。(ノートに書きながら)
K:メイクはちゃちゃーっとできんの?
S:はい、5分くらいで。
K:え!5分!まつ毛つけてるやろ?それに、アイラインも引いてるんじゃないん?
それで5分でできんのや…私なんてアイライン自分で引いたこともないわ…
S:そうなんですか…
K:うわ、このリュックかわいいなあ。これはどこで買ったん?
S:これはネットで。
K:え。あれや、ZOZOTOWNとかやろ。知ってるで。
S:あ、はい。殆どネットで買いますよ。
K:ええ!?東京なんていっぱい店あるのに?ネットで買物は店のない地方の人がやるんやと思ってたわ。
M:だはははは!
S:お店行くと店員さんに話しかけられるじゃないですか。あれが嫌なんですよ。
K:へー。そっかそっか。
S:試着も嫌いなんで。
K:えー。でも家に届いて何か思ってたの違うってことはないの?
S:ありますけどお母さんがサイズが近いんで、お母さんにあげたりとか。
K:え!お母さん何才?
S:えっとー。43とか?多分。
K:若い!
S:お母さん私より細いんで、(Sちゃんの服が)入りますよ。だから、面倒なんでネットで買っちゃいますね。
K:人と話すの嫌いなん?殆どメールとか?
S: そうですね。でもメールも返すのとか嫌いなんで。面倒くさいから電話かけちゃったり。
K:メールかー。確かに。私も全然せんわ。必要なときくらいや。
F : 今はTwitterでやりとりしますよ。今日電車遅れてるからとか呟いてたらプリント余分に取っておいてあげるとか。そういうのをメールの代わりにしてます。
K:でも、それみんな見えちゃうから危ないとかないの?
F : だから鍵かけておくんです。大学の友達だけのTwitterです。
M:今って、Twitter見てることが前提になってるんだよね。Twitterに上げたことは見てるっていうのが常識っていうかね。
K:えー。私なんて3日に一回くらいやけど。どのくらい見てるの?
S:しょっちゅう見てますよ。一時間に一回くらいは。
K:えー!そんなに!?そっかー。じゃあ二人ともフォローしまーす!
(冷めたポテトを食べながらまたディズニー話に花が咲く)
→その3に続く・・・