その1 先生怖くないんで…


久美子(以下K):今何年生やっけ?

さおリ(以下S):高校二年生です

K:ああ、さっき修学旅行の話してたもんねー。てことは何才だ?

S:16です

K:おー。16かー。高校近くなんですか?

S:はい、自転車で20分くらい。

K:へー。この辺だとどこで遊んでるの?

S:そうですねー。近くにカラオケとか…

K:やっぱカラオケなんや!渋谷に出たりとかは…

S:池袋に

K:池袋で…カラオケ…

S:(笑)

K:私は四国出身だったんで帰りにカラオケとか全然なく…田んぼの畦道通って学校通ってたりだったからね(笑)
もう、この規模の街だと県庁所在地に匹敵する。松山。あ、愛媛なんやけどね。

S:そうなんですか…

K:ほんまほんま。
自分が東京で暮らしている、みたいなのは思ったりする?地方の人間からするとすごい特別な感じとか憧れとかあったんやけどね。

S:東京っていうのはあるけど、東京の田舎っていう感じです。

K:あー。まあ、ちょっと離れてはいるけどねえ。ちなみに部活とかやってるの?

S:軽音部に入っていて、ギターやってたんですけど辞めました。

K:え、なぜに?

S:通うのが続けらんなくて。

K:そんなに厳しい部活だったの?

S:いや、一緒にやってた子が行かなかったのでー。

K:はー。そういうのかー。ギター買ってたん?

S:小学校のときにアコギをちょっとやってて。

K:え、小学校?

S:それで高校で部活やるからってエレキを買ってもらいました。

K:え?えー!?なのにやめたのか?小学校からアコギって、親の影響とか?

S:いや、親が楽器やってるんですけどギターは完全に私のやりたいことで。

K:親は何の楽器やってんの?

S:お父さんがトロンボーンで、お母さんがフルートです。

K:吹奏楽部恋愛か!Sちゃんは軽音部の子と付き合ってたりはなく?

S:今は彼氏いないですね。

(ここで、カメラマンMと、友人の大学生Fも参加)

K:今はか。元彼はい…た?

S:はい。でも、向こうに好きな人ができちゃって。

K:うー。切ない。どうしようもないよねそれって。高1のとき?

S:中3ですね。

K:中3…。中3ですって先輩!

M : 中3…すごい(笑)

K:中3ときなんて部活しかしてなかったな…今好きな人おらんの?

S:います。

K:そらそやわ。高2女子やもん。同じクラス?

S:はい。でも、私の今一番仲いい子のこと好きなんですよね彼。

KM : うーわ。胸痛い!!どうすんのー。

S:いやー。わかんないです。

K:私だったらどうするやろう。

F : 私だったら友情とります。友達の方が長く付き合えますから。

K:まあ、そうよなあ。彼氏は別れたらなあ。0か100かしかないもんなあ。友達は一生やもんなあ。

F : そうですねー。

学校は楽しいが……


K:修学旅行は2月だっけ?どこいくん?

S:沖縄です。班とかはまだなんですけど、楽しみです。

K:学校毎日楽しい?

S:はい、楽しいです!

K:いいなあ。私、クラスに特に仲いい子もいなくて何か高校時代今一だったからなあ。

S:へー。そうなんですか。

K:うん。群れるのがだめだったんよなあ。あの一緒にトイレ行ったりする感じが(笑)

一同:ああ。わかるー。

K:あ、わかる?それで、けっこうウルフ気取ってたなあ。

S:やらなくて後悔したことってありますか?

K:後悔、いい質問。そやなあ。好きな人に告白しようしようとか思っててしなかったことあったなあ。
あれ、してたらどうなったてたかなあって、思うことはある。でも、できないんだよ(笑)今なら絶対してるんやけど、あんときは絶対無理なんよな。

M : わかります。ダメだったときのこと考えると怖いですよね。学校って毎日行かなきゃいけませんもんね。

K:ね、顔合わせらんないですよね。ごめん、すっごい渦中のこと言って(笑)

S:ははは。後悔しますかねー。

K:でも、学校楽しいの羨ましいな。いじめのことが問題になっているけど、そういうのもクラスにはない?

S:私の周りでは、中学も高校もなくて。小学低学年のときとかはハブイたりとかはありましたけど、今は本当にみんな仲良くて。平和なんですよー。

K:へー!そうなんや!?全くなく?

S:そうなんですよ。でも気づいてないだけかもしれませんけど。

K:まあねー。どう?

F : いやー。ありましたねー。でも、踏み込めないっていうか。先生に「最近あのこおかしくない?」って聞かれても「わかんないです」って言えば終わっちゃうし。それ以上踏み込むと逆に先生がいじめられたりしますから。

K:え?

F : 先生をみんなでいじめるとかありますよ。

K:確かに心の病になる先生が多いとは聞くけれど。こんなことSちゃん達のとこはないよね?

S:中学のときはけっこうあった。生徒が先生をバンって殴ったり。

K:え!それは男子よね?

S:いや女子もです。

K:私達の頃って、先生によく叩かれたりしたけど。え、その逆?先生から生徒は体罰ってなるけど、え、逆はありなの?私、忘れ物してよく辞書の角っこで叩かれてたなー。あと、教室の外に出される子とかいたなあ。信じられんでしょ(笑)

S:うん。でも、ちょっとはないとな、とも思います。ないと、酷いですもん。小学生のほうが多分まじめに授業してると思いますもん。もう、授業になってない。

K:中学生の時?

S:いや、中学も、高校もです。

K:じゃあ、授業も放棄で。

S:はい、保健室がたまり場になってますね。

K:はー。友達同士で、やめときなよーとか、まじめにやりなよとか、いさめ合ったりはないん?

S:ないですね。言っても聞かないでしょうし。取り敢えず女子は机の下で携帯いじってますね。男子は、ゼリーを机にベッてやって遊んだり。

K:え???ゼリー。何それ。あの食べるゼリー?

S:はい。昆虫ゼリーとか。

K:小学生やん(笑)ていうか、楽しいハッピーなだけの教室じゃないやん。重大な闇抱えてるやんこれ。

S:そうですね。

担任が一番舐められてます


K:先生は「やめなさい!」とか言わんの?

S:先生のほうが弱いんですよ。

K:え?誰も言わんの?

S:まあ二、三人注意する先生もいますけど、殆どの人が無視です。

K:はあ。殆どの先生は淡々と授業進めてるんや。聞く子は何人くらいいるん?

S:授業にもよるんですけど、やってないときはホント3~4人くらいしか。

K:わー。まあ、授業も面白く無いんやろうなあ。確かに面白く無い授業のときは眠いもんな。そういう先生に限って淡々とただ進めるだけだったりもするしねー。でも文化祭とかになると?

S:まとまります。行事があると頑張ります。

K:そっかそっか。でも先生、切ないなあ。

S:先生、前に怒ってチョーク投げたことあるんですけど、投げ返されましたもん

K,M : おおおー!!!

S:チョーク投げてその子帰っちゃって。

K:え!?帰ったん?

S:はい。だから、完全に先生と生徒の立場は逆ですね。なめられちゃてってる。
この先生嫌いだから授業やらなーいって言って出てっちゃたりとか。

K:内申書の点数下げられるとかの不安もないのかな?

S:まあ、落とされるってことはないんで。大体の人が進級できるからそういうのもないんですよね。大学に行く人も殆どいませんし。私は短大に行くけどみんな行かないんで。

K:うわー。盲点だったなあ。意外なところに問題が…担任は?

S:担任が一番舐められてます。

K:ウォッホーイ!ホームルームとかえらいことになるんちゃうん?

S:もう誰も聞いてないです。「早くー帰るー帰るー」みたいな。で、先生はだんだん声が小さくなって。もう本当に誰も聞いてないですね。

K:ふーん…まあ、授業が面白くなかったら聞く気もしないという自己主張なのかなあ。私たちの頃は、先生にそこまで盾突くっていうのは一部しかなかったなあ。そんな全員がっていうのはなー。

M : ないない。

K:だから、何て言うか、今の子たちには、ちゃんと自己主張するっていう感覚が備わってて、なのに、全員前向いて同じ机で同じ授業聞くっていうシステム事態は昔から変わってなくて。だから、矛盾が生じてきてるんじゃないかという気がするね。学校の理想と現実の間で生まれるギャップみたいなのかなあ。

M : 私たちのころじゃ考えられないですよ。

K:まあ考えが多様化しているっていうこととか、右へならえじゃないっていうのはある意味、自分の考えを出せているという面ではいいことなのかもしれないけど、それにしても年上を敬う気持ちは大事だよねー。しかも、ちゃんと正面から堂々と闘わないかんと思うわ。

M : 先生が生徒を黙らせる何かを言うっていうのがないんですねー。

S:怖くないんでー。

K:いやもう、何のために学校に行ってるかっていう学校のシステム事態の問題になってくるよね。学校に行ってべつに勉強したいわけじゃないでしょう?みんな。何のために学校行ってる?

S:うーん。なんだろう。

K:多分そこなんだよね。例えば、大学に進学するって場合は大体内申点っていうのも必要になってくるよね。Sちゃんの場合もそうだと思うけど。でも、進学しないイコール勉強しなくていい。もっと言うなら進学するにしても塾行きゃいい。だったら、何のために?ってなる子が多いんじゃないかな。

M : ああ。納得。

K:アフリカの子たちなんて、クラスに教科書一個で、それでもみんな勉強したいからって集まって、雨漏りする部屋で学んでってしてるもん。それって、大きいとこで言うと、自分の国を再建したいっていう切実さとか含まれているもんね。学者になりたいとか医者になりたいとか教師になりたいとか、同時に妹とか親を支えていきたいって。その、「学ぶ」ってことの原動力が違うんだろうな。
ちなみに、政治の話することある?

S:今ですか?え…ないです。

K:はい。ですよね。今の話の流れからいくと、全くないですよねー。聞かなきゃよかった(笑)野田首相さーとか。民主党やばくなーい?みたいのは

S:ないですないです(笑)

K:ないのかー。全くなくかー。ニュースは?

S:ニュースは見ます。

K:じゃあ、大学受験の面接やと思って。「最近気になったニュースはありますか?」

S:えーと(笑)最近気になったニュースですか…あーっとー。東京都知事の石原さんが辞めるっていう。

K:はい、そうですね。辞めちゃうねー。

M : 80歳でねー。

K:いや、もう80歳ですから…
(ここから先、載せられない…)

K:まあ、こういう政治の話なんかは、話題の中心にのぼることはー

S:ないですねー。

K:いつも何の話してるん?

S:大体は、友だちの話とかー。あとはー。お菓子の話ですかね。

K:えー。お菓子……。教室って何個かにグループ分かれてるやん。どの辺にいるん?ムードメーカーチームとかいろいろ…

S:いや、それはないですね。女友達と仲良くしてないんですよね。女の子が苦手で。

K:お、同じ部類やん私と。

S:そですねー。今、一番仲良くしてるのは、一番仲いい女の子が一人と、男の子が二人です。女の子苦手なんです。

K:どういうとこが?

S:いやもう考えとか。あんまりよく理解できない。嫌いな子をすぐグチグチ言うのとかも嫌なんですよ。

K:私も、高校時代、女子が本当にダメだったからクラスに友達いなくて(笑)意外だなあ。Sちゃん女の子っぽいのにー。どういう話してる大学では?

F : 好きな授業の話とか、

K:あ、V系の話やろ(FちゃんはV系好き)

F : いや、ディズニーですね。年パス持ってるんで。友達も年パス持ってるんでー。学校帰りに一緒に行ったり。

SK:えー!すごーい!

M : どの時期に行くのが一番空いてる?
(永遠、ディズニー話。しばし脱線)